台湾の生活情報や医療事情

台湾の基礎知識

名称 台湾 日本国(ご参考)
面積 3万6,000㎢ 37万8,000㎢
人口 約2,355万人(2017年7月) 1億2,659万人
首都 台北、高雄 東京(人口1,383.2万人)
通貨
(2019年1月)
新台湾ドル
(新台湾ドル=約3.54円)

(1米ドル=108.92円)
時差 -1時間
言語 北京語、福建語、客家語 アルタイ語系の日本語
民族 漢族(台湾人・外省人) アジア人種の日本民族・朝鮮人・中国人・北海道に少数のアイヌ人
宗教 仏教、道教、キリスト教 仏教・神道・キリスト教
気候 亜熱帯に属し一年を通して温暖な台湾。しかし北回帰線が中央に通っているため北部が亜熱帯、南部が熱帯に属している。南は熱帯で暑く、北部は大陸性気候の影響を受けて冷え込むこともある。 南部は温帯気候、北部は冷帯気候。モンスーンの影響が強く、6~8月は南東モンスーンにより多量の雨がもたらされる。11~3月は大陸からの北西モンスーンにより、北部は厳しい寒さとなり、日本海に面した地域には多量の雪が降る。
代表的な
都市の気温
台北:
10℃/18℃(1月)
22℃/31℃(7月)
(最低気温/最高気温)
東京:
0℃/9℃(1月)
22℃/29℃(7月)
(最低気温/最高気温)
電化製品
電圧:
110/220V
プラグタイプ:
A、C、O
電圧:
100V
プラグタイプ:
A
在留邦人数 21,054人(2017年10月現在)

出国・入国するときの注意事項

下記は2019年1月現在の情報です。最新情報については、外務省・台北駐日経済文化代表処等ウェブサイトを参照してください。

査証(ビザ)

台湾側は、日本人に対し、90日間以内(到着日の翌日午前0時から起算)の滞在については査証を免除しています。この90日間の査証免除による滞在については、滞在期間の延長は認められておらず、これに違反(オーバーステイ)すれば罰金が科せられ、さらに退去処分となります。

台湾の査証には、滞在期間・滞在目的によって「短期停留査証(180日以内の滞在)」、「一年数次停留査証(60日間の滞在)」、「商用目的一年数次停留査証(ビジネス関係者、90日間の滞在)」、「長期滞在(居留)査証(雇用、投資、家族呼び寄せ、宗教活動、留学等の目的での6か月以上の滞在)」、「日本人退職者数次査証(180日間の滞在)」および「語学研修査証(90日間滞在)」があります。

査証の申請は、専用のウェブサイトにアクセスして個人情報をオンライン登録した上で、査証申請書をプリントアウトし、署名欄に署名した後、必要な書類を添付して台北駐日経済文化代表処等の窓口に提出することになります。
これらの査証についてはいずれも、日本または第三国において、あらかじめ取得しておかなければなりません。

出入国審査

台湾に入出境する満14歳以上の外国人等は、入出境審査時に、指紋および顔写真の個人識別情報を提供する必要があります。

通関

税関に申告する必要がない場合は、「免申報台」(緑色カウンター)において税関検査を受けてください。一方、輸入規制品を携帯する場合または以下の申告すべき事項に当てはまる場合は、「海関申報単」に必要事項を記入し、「應申報台」(赤色カウンター)で申告のうえ、税関検査を受けてください。

  • たばこ、酒、その他の物品が免税範囲を超えている場合
  • 一定額以上の外貨(現金)等を所持している場合
  • 2万米ドルを超える価値の金地金(金塊)を携帯している場合
  • 水産物、動植物およびそれを使用した製品を携帯している場合
  • 別送品がある場合

その他、ブランド品や楽器等の高価な物品も申告の対象となり得るので、申告の対象となるか疑義がある場合は、「應申報台」(赤色カウンター)で申告するか、事前に台北駐日経済文化代表処または台湾財政部関務署にお問い合わせください。

免税範囲

旅行者が携帯する物品の免税範囲は本人の個人用および本人の家族用に限られており、その範囲については以下のとおりです。なお、旅行者が携帯する商品サンプルは、課税価格が1万2,000台湾元以下の場合、免税となります。

  • 酒類1リットル(満20歳以上の成人に限る)
  • 紙巻たばこ200本または葉巻たばこ25本もしくは刻みたばこ1ポンド(満20歳以上の成人に限る)
  • 輸入規制品に属さないもので、既に使用した物品。
    その1個または1セットの課税価格が1万台湾元以下の場合
  • 上記以外の物品(輸入規制品、酒、たばこ以外)で、その課税価値の総額が2万台湾元以下の場合

外貨申告

申告が必要な場合、および未申告・虚偽申告時の処分等は以下のとおりとされています。

  • 総額1万米ドル超の外貨現金および香港・マカオ発行の通貨現金を携帯している場合。
    未申告や虚偽申告の場合は、税関により超過部分が没収されます。
  • 総額10万元超の台湾元現金を携帯している場合。
    規定額を超過する場合には、出入境前に中央銀行に申請し、許可を得なければなりません。未申告や虚偽申告の場合は、税関により超過部分が没収されます。
  • 総額2万元超の人民元現金を携帯している場合。
    入境時に規定額を超える額を携帯している場合には、自らが封を施した上、税関において保管され、再出境の際に持ち出すこととなります。出境時に基準額を超過していた場合には、税関に申告したとしても、規定額までしか持ち出すことができません。なお、未申告や虚偽申告の場合は、税関により超過部分が没収されます。
  • 額面総額1万米ドル超の有価証券(無記名トラベラーズチェック、その他小切手、約束手形、為替、および所持人が台湾および外国で行使する権利を持つその他有価証券を含む)を携帯している場合。
    規定に従わず申告しなかったり、虚偽申告を行ったりした場合は、未申告もしくは虚偽申告分相当の罰金が科されます。
  • 総額2万米ドル超の金地金を携帯している場合。
    規定に従わず、申告しなかったり、虚偽申告を行ったりした場合は、未申告もしくは虚偽申告分相当の罰金が科されます。
  • ダイヤモンド、宝石およびプラチナの総価値が50万台湾元を超え、かつ自己使用量を超過し、マネーロンダリングに利用される恐れがある場合。
    申告しなかったり、虚偽申告を行ったりした場合は、未申告もしくは虚偽申告分相当の罰金が科されます。

輸入禁止物品

主な輸入禁止品は次のとおりです。

  • 違法薬物(例:ヘロイン、モルヒネ、アヘン、コカイン、大麻、覚醒剤等)
  • 銃砲、刀剣類等
  • 生きた野生動物並びに希少野生動植物種およびその製品(輸入には許可が必要)
  • 特許権、商標権および著作権の侵害物品
  • 偽造または変造した貨幣および有価証券並びに偽造貨幣・証券の製造機
  • 医師の処方箋等がない医療用医薬品
  • 生きている動物およびその製品。植物およびその生鮮製品(果物等)。
    ただし、動物伝染病防治条例や植物防治検疫法の条件を満たす場合はこの限りではない。
  • その他、法律で規制された物品

滞在許可証

「長期滞在(居留)査証」で入境した場合は、15日以内に所在地を管轄する「内政部入出国及移民署」および各県・市の同署服務センターにおいて、「外僑居留証」(外国人登録証)取得のための申請を行わなければなりません。なお、一度出境した後、再び入境する必要がある方は、上記申請と同時に「重入境」(再入境)許可を申請することができます。

現地に到着したら

在留届

旅券法第16条により、外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する日本人は、住所または居所を管轄する日本の大使館または総領事館(在外公館)に「在留届」を提出するよう義務付けられています。住所等が決まりましたら、必要事項を記入のうえ、速やかに最寄りの在外公館へ提出してください(世帯ごとに届出をすることもできます)。
提出はFAXまたは郵送、インターネットで可能です。提出にあたっては、「在留届」用紙の注意事項をよく読んで提出してください。

  • 住所その他届出事項の変更および台湾を去る(一時的な旅行を除く)ときはその旨の届出(変更および帰国届)を行ってください。

在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者(海外旅行者・出張者など)についても、現地での滞在予定を登録できるシステムとして、2014年7月より外務省海外旅行登録「たびレジ」の運用を開始しています。登録者は、滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール、また、いざというときの緊急連絡などの受け取りが可能です。

注意が必要な生活環境

各種取締法規

旅行制限

軍事関連地域等を除き、特に制限は設けられていません。

写真撮影

軍事関連地域・施設等を除き、特に制限はありませんが、過去に、軍民共用の花蓮空港で写真を撮っていた日本人が、戦闘機を撮影したのではないかと疑われ、警察から事情聴取を受けた例もありますので、撮影の前によく確認することが肝要です。

麻薬

台湾における麻薬等違法薬物の取締りは非常に厳しく(「毒品危害防制条例」により規制)、薬物犯罪の最高刑は死刑です。絶対に興味を示さないようにすることはもちろんのこと、繁華街の路地裏等犯罪の温床となるような場所には近付かない、または不審と思ったもの(タバコ、高級茶葉と称される例が多い)を購入しないことが肝要です。また、自分では気付かない間に「運び屋」として利用される可能性もあるので、見知らぬ者または知り合ったばかりの者から、「△△氏へのおみやげを持って行ってほしい」といった依頼を受けた場合は、毅然とした態度で断るようにしてください。なお、知らない間に手荷物に薬物等を入れられてしまうこともあるので、特に空港等においては、手荷物の管理を徹底することが肝要です。

就労許可

外国人駐在員の家族または留学生が台湾で就労するためには、「工作許可証」(就労許可証)の取得が必要になります。「工作許可証」を取得するには、駐在員の家族等については台湾側の雇用主を通じ、留学生については留学先の学校の同意証明を受けて、それぞれ申請手続きを行う必要があります。なお、不法就労した場合は、「就業服務法」により罰金が科せられ、さらに強制退去処分になります。

売買春

売買春行為は違法であり、取締りも強化されています。「社会秩序維護法」では、買春した者についても、3万元以下の罰金が科せられることとなっており、最近でも、実際に検挙されるケースが発生しています。こうした行為は厳に慎んでください。

喫煙

台湾では、法令により、ほとんどの室内および公共の場所で全面禁煙となっており、これに違反した場合は、喫煙者に1万元以下の罰金が科されることとなっています。喫煙される方は喫煙マナーを守ることはもとより、日本と同じ感覚で安易に室内において喫煙することがないよう、喫煙場所に関しても十分注意してください。

防空演習

例年、台湾各地区において、空襲に備えることを目的に防空演習が行われています。演習中は、住民や車両に対する避難指示や交通規制が行われ、これらの指示や規制に従わなかった場合には、民防法により罰金が科せられる恐れがありますので、関連報道に注意するとともに、演習地区内では、係員の指示に従うようにしてください。

銃器取締り

「槍砲弾薬刀械管制条例」により、銃砲刀剣類等を許可なく製造、販売、運搬、携帯すること等は厳しく規制されています。最高刑は死刑で、罰金も5,000万元以下と規定されているなど、日本と比べ非常に厳しい内容になっています。

その他

航空券の譲渡

台湾では、本人名義の航空券(搭乗券)を他人に譲渡すると、「入出国及移民法」により罰せられます。過去に、台湾の空港内で「日本行きの航空券と交換してほしい。費用全額と謝礼は払う」等と依頼された日本人観光客が外国人と航空券の交換を行ったところ、航空警察当局に逮捕される事案が発生しました。

昆虫採集(野生動物の保護)

「野生動物保育法」の規定により、保護動物の採集はもちろんのこと、域外への持ち出し、輸出入も厳しく規制されています。保護動物には、ほ乳類、は虫類などのほか昆虫も含まれ、クワガタなど子どもの関心の高い昆虫も含まれています。違反すると、5年以下の懲役または150万元以下の罰金等が科せられます。昆虫採集する場合は、どんなものが保護動物になるのかを、あらかじめ現地農業委員会に照会されることをお勧めします。

政治活動

日本人を含む外国人が政党等から招かれ各種選挙活動に参加することは、「公職人員選挙罷免法」等の規定により禁止されています(※)。仮に法律との関係で問題が生じた場合、当該外国人は「入出国及移民法」違反(目的外停留・居留)として強制退去処分を受ける恐れがありますのでご注意ください。

  • 「公職人員選挙罷免法」で禁止されている選挙活動
  • 公開演説または署名により推薦し、候補者を宣伝すること
  • 候補者のために公開の場所でステージに立ち、または大衆の前に現れて候補者を応援すること
  • 記者会見を開き、またはメディアの取材を受け、候補者を宣伝すること
  • 宣伝物を印刷頒布、貼付し、候補者を宣伝すること
  • 標語、看板、横断幕、布等の広告物を掲げまたは立て、候補者を宣伝すること
  • 公共放送を利用し、候補者を宣伝すること
  • 候補者とデモ、集票、募金活動に参加すること

なお、台湾では、集会、座り込み、デモ行進等の街頭政治活動が頻繁に行われる傾向にあります。また、尖閣諸島を巡る状況等を受けて、一部の市民団体による日本台湾交流協会等に対する抗議活動等が行われることがあります。新聞・テレビの報道および日本台湾交流協会台北事務所ホームページ等で最新の情報を確認し、実際に抗議活動が行われている場合には、その場所には近付かないようにしてください。

風俗・習慣・国民性

台湾は、ほぼ北回帰線を挟んで南部が熱帯、北部は亜熱帯に属し、山岳部は全般的に温暖な気候で、平地部は比較的高温多湿となっています。住民は、閩(ビン)南人、客家人およびマレーポリネシア系先住民(オーストロネシア語族)と、いわゆる「外省人」(戦後、国民党とともに中国大陸から渡ってきた人々)からなっています。台湾の人々は、一般的には親日的といわれる一方で、過去の歴史認識や尖閣諸島等に関して様々な考えを持つ人もいます。いずれにせよ、台湾において、日本人は極めて関心を持たれる存在であり、また、日本語を理解する人も少なくありませんので、公の場での発言には注意するなど、「礼節ある行動」に努める必要があります。

健康・医療

台湾(台北) 医療事情
(ジェイアイ傷害火災調べ 2016年8月時点)

項目 内容 日本(ご参考)
救急車の料金
①公営:
無料
②民営:
通常利用しない
無料
通常利用しない
初診料 5,500円 2,820円
病院部屋代
(1日当たり)
①個室:
5,000円~20,000円
②ICU:
30,000円~100,000円
80,000円~100,000円
虫垂炎手術の治療費
①総費用:
②平均入院日数:
600,000円
4日間
骨折時の治療費
(橈骨末端閉鎖性骨折)
15,000円 20,000円
ファミリードクター制度 なし なし
  • 初診から専門医の受診が可能(ただし、総合病院等で紹介状が必要な場合あり)
乳児死亡率
(1,000人当たり)
2人
平均寿命 84歳
協力:Taiwan Adventist Hospital 聖路加国際病院
注意事項
  • 全体
    • 海外では自由診療となるため、治療費は受診する医療機関や治療内容等によって大きく異なります。一覧は目安として下さい。
    • 日本人旅行者が利用することが多い私立の医療機関を中心に調査しているため、その国一般の相場と異なる場合があります。
  • 項目別
    • 1.
      公営の救急車は原則行き先を指定できません。距離加算の記載がない場合は、原則同一市内の料金となります。
    • 2.
      初診時の最短時間(通常10~20分程度)の診察料となります。別途医療通訳費が必要な場合があります。
    • 3.
      部屋の使用料のみとなり、実際に入院する際には、その他に医師の診察料、薬剤費等が必要となります。
    • 4.
      腹膜炎を併発していない手術を想定しており、術式等は医療機関により異なります。
    • 5.
      転倒し、手をついた際に骨折しやすい箇所となります。レントゲン検査、固定処置を行い1回のみの外来診療を想定しています。
      (帰国後に継続治療を行うことを想定していますが、その治療費は含んでおりません)
    • 6.
      当該国の一般的な医療制度を記載しており、医療機関や緊急度合い等により記載と異なる場合があります。
    • 7.
      出典:世界子供白書2015<要約版>-日本ユニセフ協会
    • 8.
      出典:総務省統計局発行、総務省統計研修所編集「世界の統計2016」
  • 日本の医療事情
    • 詳細金額は医療機関の設備や治療内容等により異なりますが、概ねの理解をいただく目的で、一般的な料金を記載しています。
    • 治療費は、海外と比較する目的で健康保険利用の基準である1点10円かつ全額(10割)自己負担として算出しています。健康保険を利用し受診した場合の自己負担額は通常記載よりも低額となります。また、日本で健康保険を利用しない自由診療の場合は、医療機関により点数換算が異なります。

医療事情

設備、技術ともに全般的に水準は高く、急病や交通事故による負傷の場合の救急医療施設も整っています。また、台北市内、台中、高雄においては日本語が通じる医師もいます。

注意を要する病気

特定の風土病はありませんが、台湾では、A型肝炎や手足口病、細菌性赤痢が発生していることから、レストラン等を利用する際は衛生的な場所を選ぶなどの注意が必要です。
また、台湾中南部に限らず、広く台湾内において蚊を感染媒体とする日本脳炎およびデング熱の感染例が発生しています。蚊に刺されないよう、肌の露出を控えた服装を心掛ける、防虫剤を使用する等蚊に刺されない対策を講じてください。日本脳炎は死に至る可能性もあり、また、デング熱はまれに重症化し、デング出血熱を発症することもありますので、3日以上発熱や頭痛等が続く場合には、最寄りの医療機関で受診してください。

これまで台湾は狂犬病の撲滅地域とされてきましたが、2015年に、人を噛んだイタチアナグマが狂犬病に感染していた症例が9件公表されました。狂犬病に感染しているイタチアナグマに噛まれたことによる人への感染への可能性は排除されておりません。ついては、野生動物や野良犬、野良猫との不用意な接触は避けるなど、注意してください。

2014年4月、中国大陸からの観光客が鳥インフルエンザ(H7N9)型を発症した事例が報告されましたが、これまでに台湾領域において高病原性鳥インフルエンザのヒトへの感染は確認されていません。鳥インフルエンザ対策として、生きた鳥との接触を避ける、手洗いやうがいなどの衛生管理を心掛ける、人ごみではマスクを着用するなどの対策に努めてください。万が一、呼吸器感染症の症状が現れた場合には速やかに台湾当局指定の医療機関を受診することをお勧めします。また、普段から、テレビ、新聞等で最新情報の入手を心掛けてください。

健康上、心掛けること

上下水道やその他の各種衛生施設等のインフラは相当整備されており、夜市にある飲食街などの一部を除けば、衛生上特別な注意は必要ありません。しかし、水道水はそのまま飲用するのには適していませんので、飲み水には市販のミネラルウオーターの利用をお勧めします。

最近、中国大陸各地で深刻な大気汚染が発生していますが、台湾においても、PM2.5に関して、特に中部、南部地域等で不要不急の外出等を控えた方が良いとされる数値を記録することがあります。テレビや新聞報道、台湾の行政院環境保護署のホームページ等により、最新情報の入手に努め、大気汚染が激しい場合には、不要不急の外出を控える、外出時にマスクを着用する(「N95」という規格を満たしたマスクは、PM2.5等を95%以上遮断するとされています)、屋内では空気洗浄機等を使用するといった対策を講じることをお勧めします。

その他

台風シーズン(7~9月頃)には、台風による暴風雨被害が頻発する可能性があります。この時期は、豪雨による突然の交通路の遮断などの事態が発生することもあります。
世界有数の地震多発地帯に位置していることから、震度5程度の地震が時折発生しており、1999年9月の地震では2,000人以上の死者が出ました。2016年2月にも、台湾南部の高雄市を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生しており、116人の死者、多数の負傷者が出ております。大きな揺れを感じたら、周囲の状況に応じて安全な場所に避難するとともに、海岸付近に滞在している場合は、高台に避難するなど津波に対する警戒も必要です。

渡航・滞在に際しては、これら自然災害に対する警戒を怠らぬようにし、日本の留守家族等に旅行日程や宿泊先を知らせておくとともに、常に最新の情報を入手するよう心掛けてください。
また、これら自然災害が身近に発生した場合は、安否を気遣う人々がいることを忘れず、速やかに関係者や日本台湾交流協会事務所等に連絡を取るようお願いします。

海外⽣活不適応について

気候、⽣活習慣、⾷事、治安状況、⼈種、宗教、⾔葉の違いは、適応に相当な努⼒を要します。うまくいかないと不適応症候群となり、精神⾯のみならず胃腸系や循環器系に変調をきたします。きまじめなタイプや完全主義者に陥りやすい傾向があります。適応には時間がかかること、誰でも⼀度は通る道であることを認識してあせらないことが肝⼼です。疲れたときは無理せず、⼗分な休養、時には⻑期休暇が必要です。
特に家族で赴任されている⽅はご家族のメンタルヘルスにも気を配ってあげて、できるだけ不満や愚痴を聞いてあげるようにしてください。

交通事情

一般的な交通事情

台湾の道路では、自動車は日本と逆の右側通行という基本的な違いがあるほか、交通習慣が日本とは異なる部分が多々あります。台北市等の都市部においては、スクータータイプのバイクが圧倒的に多く、バイクが関係する交通事故も後を絶ちません。また、自動車も多く、朝夕のラッシュ時には慢性的な渋滞が発生します。自動車、バイクとも運転が荒く、右左折時の割り込み等は日常茶飯事で、現地で運転するには十分な注意と技術が必要です。さらに、歩行者優先の概念は通用しないため、歩行者は青信号で横断歩道を渡る際にも左右を十分に確認するといった注意が必要です。

運転免許証について

台湾では、以下を条件に自動車等を運転することができます。

  • 日本の運転免許証のほか、その中国語翻訳文および旅券を所持・携帯していること(公益財団法人日本台湾交流協会または一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が作成した翻訳文に限られる(注))
  • 運転することができる期間は、台湾に入境した日から1年間(ただし日本の免許証の有効期間内に限られる)
  • 運転することができる車両の種類を確認し、それに従うこと。
  • (注)
    翻訳文の入手方法
    台湾で入手する場合の窓口
    日本台湾交流協会台北事務所、日本台湾交流協会高雄事務所
    日本で入手する場合の窓口
    一般社団法人日本自動車連盟(JAF:日本全国の支部窓口で申請可能)

また、日本の運転免許証を所持している場合は、台湾当局に申請すれば、身体検査のみで無試験で台湾の運転免許証を取得することができます。

交通事故について

警察当局の統計によると、2016年中の交通事故死亡者は1,604人、負傷者は40万3,906人です。

交通手段

台北-高雄間を結ぶ台湾高速鉄道をはじめとする鉄道網、台湾内航空路線網、高速自動車道等が整備されています。
台北・高雄等都市部では、MRTと呼ばれる地下鉄(モノレール)が東西南北に走っており、また、バス路線も整備されています。バスのほとんどは、バス専用レーンを走行するので、朝夕のラッシュ時には早くて便利です。タクシーは、全車黄色で台数も多く、料金は例えば台北市が初乗70元(2016年12月現在)となっています。

その他

交通関連法規は、随時改正されるためご留意ください。小型車(タクシーを含む)の後部座席でのシートベルト着用が義務付けられており、違反した場合には、罰金の対象となる恐れがあります。また、「12歳以下」または「体重36kg以下」の児童を乗車させる際には、成長段階に合わせた各種チャイルドシートの着用が義務付けられています。
このほか、運転手が運転中に携帯電話やスマートフォン等を手に持って操作、通話等した場合、運転手が運転中にたばこを手に持ったり、吸ったり、たばこに火を付けた場合、それぞれ罰金の対象になる恐れがあり、2017年7月1日からは、停車後に車のドア開閉により交通事故を発生させた場合、車の運転者に罰金が課せられる恐れがありますので、ご注意ください。

安全に暮らすために

治安情勢(外務省海外安全ホームページより)

下記は2019年1月現在の状況です。外務省海外安全ホームページ等を活用し、常に最新の状況を確認するようにしましょう。また、滞在中は常に治安情勢の変化に気を配り、新聞、テレビ、現地人等の情報にも注意してください。

最新情報

現在、危険情報や感染症危険情報は出ておりませんが、最新のスポット情報や安全対策基礎データ等を参照のうえ、安全対策に心がけてください。

テロについて

概況

台湾においては、イスラム過激派も含め、テロを企図する組織の活動は確認されていません。

日本人・日本権益に対する脅威

現在のところ、日本人・日本権益を標的としたテロや誘拐の脅威は低いと見られますが、近年、シリア、チュニジアおよびバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や、英国、フランス、ドイツ、ベルギー、トルコ、インドネシア、フィリピン等、日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭う恐れもあります。このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報および報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

誘拐について

2017年中における誘拐事件の発生件数は3件(台湾の警察からの聴取結果)ですが、テロを企図する組織による事案はありません。

その他一般犯罪の発生状況

犯罪発生状況

台湾の治安は比較的良いとされていますが、人口当たりの刑法犯認知件数は日本の約1.5倍となっており注意が必要です。警察当局の統計(2016年)によると、刑法犯認知件数は29万4,831件で、このうち、暴力犯罪(殺人、誘拐、強盗、ひったくり、重傷害、脅迫および強姦)は1,627件発生しています。

犯罪被害危険地域

警察当局の統計(2016年)によると、地域別の刑法犯認知件数では、新北市が全体の約16%(約4万7,000件)と最も高く、次いで台北市、高雄市台中市、台南市の順になっています。

日本人の被害状況

  • 複数の日本人旅行客が、台北市内の龍山寺や台北101などの観光スポットにおいて、スリグループによって現金、クレジットカードとパスポート等が入っている財布をすられた上、クレジットカードやパスポートをデパートで悪用され不正に商品を購入される被害が発生しました。
  • 在留の日本人女性が、台北市内にある子ども用品店でクレジットカードを使って買い物をしたところ、後日、当該子ども用品の店員を名乗る者から電話があり、クレジットカードでの支払いに不備があったため、ATMを操作して手続を行うよう言葉巧みに騙され、他の銀行口座に現金を振り込んでしまう被害が発生しました。

防犯対策

屋外での犯罪対策

屋外での犯罪には、路上強盗、恐喝、ひったくり、スリ、置き引きのほか、暴行、傷害などがあり、夜間照明がない場所や人けのない場所には気をつける必要があります。夜市などの観光客が多く訪れる場所は、観光客を狙ったひったくりやスリに注意が必要です。

日本人旅行者が、スリ等によりパスポートを紛失する事案が多発しています。パスポートを紛失した場合、再発給をすることは可能ですが、手数料が掛かるだけではなく、台湾当局への届出、日本にいるご家族等を通じた戸籍謄本等の入手、日本台湾交流協会への届出・申請等、各種手続にかなりの時間と労力を要しますので、行動の節目にはパスポートがあることを確認する等してパスポートを紛失しないよう十分注意してください。

これらの犯罪を100%予防することはできませんが、被害に遭う危険性を最小限にするためにも、「外出時、周囲への警戒を怠らない」、「危険地域、危険時間帯に外出しない」ことが大原則であり、次のような行動をとることが効果的な防犯対策となります。

  • 外出するときは、目立たない服装を心掛ける
  • 不要な現金・貴重品等は持ち歩かない
  • 歩道を歩くときは、携帯品を道路側に持たず、混雑した場所では前に抱える
侵入盗対策

侵入盗対策には、まず施錠設備を点検することをお勧めします。わずかな時間外出する場合でも施錠するという基本的な習慣をつけることが大切です。また、警備会社のステッカーなどを玄関の見やすい場所に貼り付けることも効果があります。さらに、ピッキング不可能な形状の鍵、または複数の錠などの取り付けも有効な対策です。

台湾では、管理人が24時間いるマンションでも侵入盗の被害を受けるケースが散見されますので、管理人の対応やマンションの管理体制(出入口のチェック体制、防犯カメラ、敷地内外の夜間照明等)を事前に十分確認することをお勧めします。

なお、万一、侵入盗とはち合わせした場合は、「居直り強盗」となる可能性もあり、身体に危害が及ぶ危険性が生じるので、身の安全を第一に考慮し、抵抗せずに相手の要求に従うなど冷静に対処する必要があります。そのため、帰宅時にドア等に異変がある場合は、単独で家の中には入らず、管理人や警察に通報してください。

誘拐対策

誘拐事件に巻き込まれないようにするためには、「必要以上に自己の地位や財力を誇示しない」、「現地の人の恨みや憎しみを買わない」、「必要のないところで名乗らない」、「行動をパターン化しない」等、普段から心掛ける必要があります。
子どもの誘拐を未然に防ぐためにも、普段から子どもには、「一人で遊ばない」、「知らない人には絶対ついて行かない」、「誰かに連れて行かれそうになったら『助けて!』と大声で叫ぶ」、「遊びに行くときは、どこで誰と遊ぶのか家族に告げてから出かける」等の基本的な注意点を言い聞かせ、守らせるよう心掛けてください。また、防犯ブザーを携行させることも有効です。

就学児童の場合、親と学校側との連携は、学校から連れ去られる事件の未然防止につながります。通学路や学校の周辺に不審者がいた場合、身の安全を確保しつつ「学校に何か用ですか。」、「子どもに何か用ですか。」など声をかけることも効果的です(何語であっても声を発することで、不審者は誰かに見られているという意識を強め、犯行に及ぶことが少なくなるようです)。

各種詐欺対策

台湾でも日本同様、電話や携帯電話ショートメッセージサービスを利用した手口を中心に、あらゆる種類の「振り込め詐欺」が横行しています。「賞が当たった」といった儲け話や、「振り込まないと大変なことが起きる」といった脅迫のほか、公的機関の職員を装い、正確な個人情報(氏名・住所・居留証番号等)を示すことで相手の警戒心を解いてから犯行に及ぶ例も多く見られます。
なお、振り込め詐欺の犯行によく使われる役職や公的機関名としては、主に以下のようなものが挙げられますので特に注意してください。

  • 警察官、検察官、法院(犯罪捜査名目)
  • 運転免許センター(違反罰則金未払い名目)
  • 衛生署、国民健康保険局(健康保険カード未受領名目)
  • 電力会社(電気代未払い名目)
  • 電話会社(通話料未払い名目)
  • 銀行(預金が横領された旨の通報名目)
  • 郵便局(書留未受領名目)

いかなる内容であれ、電話で銀行振込を要求してきたときは、その場で要求に応じることは絶対にせず、金銭の請求については、必ず請求書等を確認することを励行してください。金銭を要求する不審な電話が掛かってきた場合には、実際の公的機関等の連絡先に電話し確認するか、内政部警政署の不正対策情報ライン(165)に相談するようにしてください。

タクシー乗車時の対策

台湾のタクシーの中にも、メーターの操作や、遠回り、短距離客の乗車拒否等を行うものがあり、さらには乗客を脅して金品を奪ったり、女性を遠方に連れ去り暴行を加えたりするような悪質な運転手も存在します。何らかのトラブルに巻き込まれたり、犯罪被害に遭ったりしないためにも、タクシーを利用する際は、次の点に留意してください。

  • 女性一人でのタクシー利用はなるべく避ける。特に夜間は危険。
  • 男性の場合でも、例えば、深夜に一人で郊外へ行くような場合は、タクシーの利用は避ける。どうしても深夜に乗る必要がある場合には、最寄りの警察派出所に赴き、タクシーを呼んでもらう。
  • 台湾のタクシーは、後部の窓ガラスおよび車体の横に車のナンバーが表示されているので、この表示のない車や表示の文字が小さい車は避ける。
    また、車内前部に運転者登録証が乗客に見えるように置かれているので、乗車時に必ず確認するようにし、これがなかったり、写真が違ったりする場合にも、乗車を避ける。
  • 運転の乱暴なタクシーや、故意に遠回りするようなタクシーに乗車してしまった場合には、面倒でもその場で料金を払って降車し、別のタクシーに乗り換えるようにする。無用な口論は避ける。
  • 料金が高すぎると感じた場合や故意に遠回りされた場合等は、タクシーの運転手名や車両ナンバー等をメモしておき、降車後、すぐに警察に通報する。
  • タクシーが路肩に寄ったときでも、二輪車が脇をすり抜けていくような場合があるので、乗降車時には十分注意する。
  • 車内に忘れ物をした場合のため、領収証をもらうなどして、運転手の名前や車両ナンバーを控えるように心掛ける。
  • タクシー運転手による偽札のすり替え被害に遭わないよう、乗車時の運転手からの要求には軽々に応じない。

不測の事態が発⽣したときには、家族等の依頼を受け⼤使館より安否確認の連絡をする場合がありますので、滞在先等は必ず家族に連絡しておく等、常に所在を明確にしておくようにしてください。
⾮常事態が発⽣したと思われるような場合や、外出中に不測の事態に遭遇した場合は、⾃宅か職場等の安全な場所に戻り、事態が静まるまで待機してください。また、必ず⽇本国⼤使館に連絡してください。

緊急時の連絡先

安全のために、普段から予防対策を心掛けておくことが重要ですが、いざ事が起こったときのことを想定して、その時に被害を最小限にするための対策を講じておくことも大切です。緊急連絡先はメモしておき、家族それぞれが持つような努力が必要です。

警察・消防・救急

  • 警察:TEL 110
  • 消防署:TEL 119
  • 救急⾞:TEL 119
  • 出典:
    損保ジャパン・SOMPOリスクマネジメント『海外生活を安全におくるために January2019』
    ジェイアイ傷害火災保険株式会社 『海外での医療事情』

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