フランスに到着してホッとするのもつかの間、今度は現地での手続きを進めていかなければなりません。大別すると「移民関連」「住居関連」「高等教育機関関連」に分けられます。こちらの記事では、それぞれの主な内容についてご紹介いたします。
■もくじ(ページ内リンク)
一般の賃貸住宅(アパート・ステュディオ等、ルームシェアを含む)
日本のスマートフォン機種はそのままに、現地でフリーのSIMを利用する
移民関連の手続き(6ヶ月以上滞在の長期ビザのみ)
在日フランス大使館のビザセクションにおいて、ビザ申請書類提出の際「OFII(Office Français de l’Immigration et de l’Intégration:フランス政府移民局)」という機関宛の「提出用フォーム」を一部記入・提出しました。そして、ビザ申請の後に留学生に返却されているかと思います。こちらの書類は、ビザ受領後に「ビザ番号」などの記入できなかった部分を埋めた上で、渡仏後にOFIIへ提出する必要があります。
ビザの有効期限内にフランスの滞在許可証を取得するために必要な手続きです。手続きに時間がかかることが多いので、到着後すぐに行ってください。下記に主な手続きを挙げていきますので、ご参考にしてください(2017年7月現在)。
OFIIの手続きの流れ
・OFIIに必要書類を郵送する
<必要なもの>
・OFII提出用フォーム
・パスポートのコピー(個人情報欄・ビザ欄・入国日スタンプ欄)
<申請期限>
・フランス入国後3ヶ月以内
※この期間内に長期ビザを滞在許可証として有効にしないといけないので、到着後すぐに郵送するのが望ましい。
<提出先・提出方法>
・フランスでの居住地を管轄しているOFIIに提出
・郵送での提出
※受領証明付書留郵便(Lettre recommandée avec accusé de réception) にて送ること。
※書類が受領された後に郵送される受領証明書は、OFIIにおける手続き完了までの滞在証明の代わりともなるので、大切に保管すること。
※提出先については下記参照
http://www.ofii.fr/IMG/pdf/formulaire_de_demande_d_attestation_OFII_-recto_verso-_Version_du_15-12-2014.pdf
・OFIIから郵送される呼び出し状(Convocation)を受け取る
OFIIが提出用フォーム等を受領・確認後、留学生宛に呼び出し状を送付します(入国後3ヶ月以内)。こちらの呼び出し状の内容に従って、手続きを進めていくこととなります。
・OFIIの指定医による健康診断を受ける
OFIIから送られてくる書類に、健康診断の案内が記されているかと思います。そちらに従い、指定の日時・場所にて健康診断を受けてください。居住地域によって検診を受ける場所は異なりますが、基本的には保健センターや病院での受診となることが多いようです。
検診時のやりとりはフランス語がメインとなりますが、分かりやすい指示をくれますし、特殊な検査もありません。「身長・体重、尿検査、視力、胸部レントゲン、医師による聴診・問診(既往症等の簡単な質問)」など基本的なものになります。
・呼び出し状の指定日にOFIIにて指定された必要書類を提出する
こちらの提出を終えることで、長期ビザを滞在許可証として発効させることができます。パスポートに移民局発行の証紙シールが貼られ、滞在許可証のカードが届きますので、フランスでの長期滞在が許可されたことになります。必要書類は下記の通りです。
・呼び出し状(Convocation)
・長期ビザが貼られているパスポート
・住居を証明できる書類(賃貸契約書など)
・証明写真
・60ユーロ分の収入印紙(街中のタバコ屋や地域の納税局にて購入可能)
※参考:http://www.ofii.fr/quelle-est-la-procedure(OFII公式サイト)
例外措置
パリにある教育機関にて留学する学生は、下記が書類の提出及び手続き先となります。(詳しくは留学先の教育機関に確認のこと)
パリ国際大学都市CIUP:17 boulevard Jourdan, 75014 Paris
所属する教育機関によっては、OFIIと協約を結んでいる場合があるようです。その際は、書類の提出を留学先の窓口で行うことが可能です。フランス到着後、留学先の教育機関に問い合わせてみましょう。
住居関連の手続き
上記のOFIIに対する手続きと並行して、到着後に進めなければならない手続きの一つが、住居の手続きです。渡仏前に学生寮や個人で賃貸の部屋、ホームステイなどを申し込んである場合、フランスへ到着次第、新たな場所へ住むことになると思います。こちらで住居関連の手続きについても触れておきます。
住居関連の手続きには、賃貸契約はもちろん、フランスにある社会保障の一つ「アロカシオン(Allocation)」と呼ばれる住宅補助も関わってきます。
一般の賃貸住宅(アパート・ステュディオ等、ルームシェアを含む)
現地に着いてから部屋を探し、希望の住まいに入るためには、貸主との賃貸契約を交わさなくてはなりません。契約の基本的な仕組みと注意事項を見ていきましょう。
<フランスにおける賃貸契約の主な内容と関連する注意点>
・大家さんと直接フランス語で契約を行います。賃貸契約書(Fiches de bail)の内容を大家さんと確認しながら、問題がなければサインをして、契約完了となります。
・契約書の内容確認について、留学生本人や保証人の情報、資料といった借りる側の提示する情報と、大家さん側が提示する住居に関する資料や契約内容、それぞれに目を通しながら確認していきます。少しでも不安な点があれば、サイン前に必ず確認しましょう。
・家具の有無に関わらず、契約時に大家さんと共に、部屋の状態や備品の確認を行い、細かく契約書に記入していくことが多いです。日本でも現状確認を行うのが常ですが、非常に大まかに済ませる大家さんもいます。退去時のトラブルを避けるためにも、気になることがあれば、契約書に記録してもらうようにしましょう。また、個人で写真などの記録を残しておくと安心です。
・契約時に家賃数ヶ月分の「収入証明」を求められることが多く、契約審査を困難にしている問題の一つとなっています。収入証明以外にも、銀行保証をする方法もあります。当サイト別記事内 不動産会社を通じて部屋を探す・借りるでもご紹介している通り、銀行にて購入した金融商品を担保として、銀行が貸主に対して家賃を保証しています。銀行保証は信用性が非常に高いため、契約を断られるリスクを低減させることができます。
・契約の際、家賃の1~2か月分の保証金(Caution:コーション)が必要となるケースが多いです。こちらの保証金は日本での「敷金」にあたり、退去時の修繕費用などに使われます。基本的には、問題がなければ退去時に返金されますが、手続き上返金に時間がかかることもありますので、契約時に確認しましょう。
・家賃は契約に際して前払いで、以後は各月の頭に当月分を前払いする場合が多いため、前もって準備しておきましょう。
・家賃に含まれる公共料金の有無と、公共料金の手続きについても確認しましょう。
・不動産会社の仲介がある場合、仲介手数料が発生することが多いので、こちらは不動産会社へご確認ください(多くは家賃の1~2ヶ月分)。
・火災保険等を含む住宅総合保険への加入が義務付けられています。保険の話をしない大家さんもいますが、基本的に保険加入は必要である、ということは念頭に入れておきましょう(ルームシェアの場合は契約時に要確認)。
・入居日と、入居の際の鍵の受け渡し方法を、契約時に確認しましょう。
・住居の設備について(水漏れ・電気系統など)、問題があった時の連絡先を事前に確認しましょう。
・退去の際の手続きも、契約時に明確にしておきましょう。
・ルームシェアの場合、大家さんはもちろんシェアメイトとの契約の確認も必要となります。特にシェアメイトとの確認事項は、問題発生時に一方的に被害を被ることのないよう、慎重に行ってください(家賃の支払いや住居に破損があった時の対応など)。また、シェアメイトとは口頭だけのやりとりになりがちです。お互いに話の内容を書面に残すなど、決め事や住居の現状を明確にし、共通認識をもっておくよう心がけたいものですね。
<電気及びガスの契約について>
光熱費が家賃に含まれていない場合、個人で電気・ガス会社に連絡する必要があります。電気及びガス会社へ電話、または各社のインターネットにアカウントを作った上で新住居の情報を登録し、入居したことを連絡します。一般の賃貸住宅に登録する場合には、留学生自身で申請を行う必要があります。
・電気及びガス会社のホームページ http://particuliers.edf.com (EDFホームページ)
<必要なもの>
・電気メーター上の管理番号
・電気メーターのカウンターの数値
・前居住者の氏名
・RIB(フランスの銀行口座番号等が記されている用紙で、口座を持つ銀行で入手可能)
※電気メーターや前居住者の情報は、大家さんに確認すること。
学生寮
留学形態にもよりますが、多くの留学生が利用することが考えられますね。大学付属の学生寮の場合は、大学もしくは、CROUS(学生生活センター)を通じて申請をし、部屋を抑えていると思います。一方、民間の学生寮の場合、寮を扱う各不動産会社のホームページなどから、事前に部屋の予約を取っているかと思います。フランス到着後は、それぞれの機関・会社へ正式に入居手続きをすることで、ご自身の部屋を手に入れることができます。
主な手続き内容と注意事項は下記の通りです。
<大学付属の学生寮に入居する>
大学またはCROUS経由で部屋を確保したら、入寮日までに直接寮へ向かい、管理人とともに最終的な契約を行います。内容と注意事項は、下記の通りですが、学生寮や管理人によって対応に違いがあります。
契約時の指示に従い、不明な点があればその都度質問するようにしましょう。
・入居する寮の受付に、予約を確認できる書類を持参する
・担当者と契約内容および支払い方法の確認を行う(入居日と時間帯によっては後日行われることもあります。その際は鍵を受け取り、簡単な寮の設備の説明を受付の人間から受ければ、当日は入居可能)
・部屋の現状確認(こちらも後日の場合あり、なるべく留学生自身でも写真を撮って状態を確認できるようにしておきましょう)
・契約内容等の確認が済み次第、問題がなければ契約書にサインをする
・アロカシオン(住宅補助)の手続きを行う
<民間の学生寮に入居する>
日本にいる段階で、各管理会社のホームページ上にて希望する部屋の予約申請を行っていることを前提として話を進めます。管理会社によって手続き方法に違いがありますが、一般的な手順をご紹介いたします。
申し込みと本契約に際して、必ずご自身で管理会社のホームページなどから詳細をご確認ください。
・オンライン予約時に指示があった書類とともに、予約日に管理会社または学生寮へ直接向かう
・Fiches de bail(賃貸契約書)を担当者とともに確認(契約内容の確認や必要書類の提示など、疑問があれば必ず質問すること)
・支払い方法の確認
・部屋の現状確認(賃貸契約書に則って行う、必要に応じて写真を撮っておくとよい)
・契約内容を確認し、問題がなければ賃貸契約書にサイン
・部屋の鍵を受け取る
一般の賃貸住宅と似たような手続きとなります。学生が対象ということもあり、予約から契約にかけて管理会社が丁寧にガイドをしてくれることがあります。少しでも疑問がある場合には、すぐに管理会社や管理人に確認するようにしましょう。
アロカシオンについて(別項で説明)は、契約の段階で担当者から話があるかもしれません。その場合は、指示に従って手続きを行ってください。ご自身で手続きを進める必要があれば、契約書を含めた必要書類を準備してもらうよう、担当者に依頼しましょう。
ホームステイ
日本にいる間にホームステイ先が決定している場合、渡仏後に、アポイントを取った時間に入居先を訪ねてホストファミリーと契約を交わします。知り合いのお宅にホームステイをする場合には、口頭で契約を済ませる場合もありますが、基本的には書面で契約します。サインをする前に、住む際のルールや、設備に関する詳細などを必ず確認しましょう。また、滞在許可証やアロカシオンを申請する場合、契約書を含む書類が必要となります。契約時、ホストファミリーにお願いをしておきましょう。
・アロカシオン(住宅手当)の手続きについて
日本と同じくフランスにも、社会保障制度が存在します。フランスでは「アロカシオン(Allocation)」と呼ばれ、個人や家族の状況に従って様々な種類の手当てが支給されます。多くのフランス住民が享受する手当ては、以下の三つに大きく分類されると言えます。
Allocations familiales(家族手当)
Allocations de logement(住宅手当)
Allocations de chômage(失業手当)
これらの中で留学生に関わってくる手当が、二番目の「Allocations de logement(住宅手当)」です。ここでは大多数の留学生に関わる「住宅手当」に絞り、留学生の立場における手続きについてご紹介いたします。
ちなみに、これらのアロカシオンは、内容により管轄の機関が異なります。上記3つの中では、家族手当と住宅手当は各地域のCAF(Caisse d’allocations familiales、通称「カフ」)という家族手当金庫が管轄。失業手当は、日本でいうハローワークに当たるPôle d’emploi(ポール・ダンプロワ)という職業安定所が請け負います。以前ご紹介した健康保険に関しても、Assurance maladieという機関が窓口になっていました。このようにフランスでは、社会保障制度ごとに窓口が異なることがよく見られます。(情報は2017年7月現在のもの)。
https://www.caf.fr(CAFホームページ)
<住宅手当とは>
家賃の支払いや住宅ローンの返済にあたって、CAFがそれらの一部を補助してくれるというものです。受給のためには、収入状況や様々な条件とCAFによる審査があります。
<住宅手当の種類>
APL (L’aide personnalisée au logement)
貸し手側および、借り手側に関わる住宅補助のポイントは、APLの申請により、CAFを通じて家賃の一部を支払ってもらえます。その際、CAFは貸し手側に補助金を支払う形となります。結果、借り手側である留学生にとって月々の支払額は、家賃から補助金分を割り引いた金額を支払います。
ALS (L’allocation de logement à caractère sociale)
APLやALFの援助条件に当てはまらない方や世帯を対象とした住宅手当となります。
ALF (L’allocation du logement à caractère familiale)
APL適用外であり、以下に当てはまる人や世帯を対象とした住宅手当です。
・子供(出生前後問わず)か他の扶養者がいる。
・結婚による共同生活が5年未満、またはそれぞれの配偶者が40歳未満で結婚している。
以上のことから、留学生を含めた独身の学生には、APLもしくはALSが適用されることになります。
<APLとALSの違いとは>
一つ目は、フランスの住居がAPLの協約に則った住居である場合は、APLの適用となり、それ以外の物件であればALSが適用されます。どちらになるかは、契約時または大家さんにCAFの書類を相談する際にご確認ください。
もう一つは、手当金の受給方法の違いです。APLの手当は先述の通り、物件の所有者(貸主)に支払われます。一方でALSの手当金は、後で借主に還付される形になりますので、借りる側はまず、家賃を全額支払う必要があります。
最後に手当金の支給額についてですが、どちらも大きな差はないと考えられます。後述しますが、どちらも借り手側の経済状況や住居の状態などが支給額の評価基準となるようです。
<留学生の場合の住宅手当受給資格とは>
・滞在許可
フランスに滞在する外国人も申請可能な住宅手当ですが、誰でも申請できるわけではありません。フランスの滞在許可証が必要となります。よって、パスポートのみの短期滞在を利用した留学や一時的長期滞在ビザによる6ヶ月未満の留学、ワーキングホリデーは対象外となります。これらは、OFIIにおいて滞在許可証を発行してもらえるビザではありません。あくまで長期滞在をする留学生が対象であることにご注意ください。
・所得
前々年の所得を申告する必要があります。2012年の時点では、学生の場合、年間所得が4800ユーロ以下(奨学生は5700ユーロ未満)であることが条件となっていました。2017年5月現在、CAFのサイトでは所得上限が明記されていませんが、所得の申告自体は必要です。
奨学金や親からの援助があれば、申請の際に個人の収入状況として申告してください。また、金融資産による収入なども記載が義務付けられています。
・住居条件
アパート、学生寮、ルームシェア、ホームステイなど、いかなる居住形態でも、一定の条件を満たせば申請可能です。
■申請する住居は、申請者のフランスでの主たる住居で、申請者の家族の所有物件ではないこと(例:親がフランスに所有する物件に住むなど)。
■留学中に居住する物件が安全に配慮され、健康で快適な最低限の生活を送れるものであること。
部屋の間取りの条件が定められており、一人当たり9㎡の居住スペースが必要です。また、暖房設備やトイレ、給湯器など、生活設備が備え付けられているかもポイントとなっています。基本的には要件を満たしていると思いますが、こうした条件があることは、念頭に入れておいてください。
■家賃を支払うのが申請者本人であること。
他人名義での申請はできません。万一、不正が判明した場合、手当金の返還を請求されてしまいます。
ルームシェアをする場合
ルームシェアをする場合も上記の条件に準ずる形となりますが、若干異なる点がありますので、ここに別枠で挙げていきます。
まず、ルームシェアの場合は、賃貸契約書に同居人すべての名義が記載されていることが必須となります。その上で、シェアメイトが各々、CAFを申請する必要があります。
補助金額についてですが、申請者の資産(収入等)とシェアメイト個々人が支払う一人分の家賃額、居住要件などから決められます。居住要件は上記で挙げた通りで、ご自身が占有する部分の広さを問われます。また、一人当たりの家賃額の提示に関して、家賃総額の領収書しかない場合には、家賃総額をシェアメイトの人数で割った金額が一人分の家賃として計算します。
シェアメイトの転出入があった時など、身辺の状況に変化があった際は、すぐにCAFへご連絡ください。手当金の見直しがその翌月に行われます。万一連絡が遅れ、手当金の減額や停止などがあるにもかかわらず受給を続けた場合、CAFから手当金の返還を求められてしまいます。ご注意ください。
<いつから受給開始できるのか>
新たな住まいへの入居翌月から受給することができます。遡って申請をすることも可能です。住居の契約を済ませたら、なるべく早めに申請を行うようにしましょう。
<住宅手当の金額を決める基準とは>
CAFのサイトを参照すると、下記のような基準があります。
・借主の収入
・家賃
・同居人数
・建物の基本状態
・居住地
など
受給金額は、条件によって異なりますので、CAFホームページでシミュレーションができます。受給の可否や受給額の評価もオンライン上で行っているので、一度ご確認されてはいかがでしょうか。
住宅手当の申請をする
現在、CAFへの手当金申請はオンラインで手続きを進めます。ここでは申請方法と、それにあたって必要な書類をご紹介いたします。
- 普段利用するメールアドレス
- 賃貸契約書
- 申請者の身分証明書または、フランスの滞在許可証(コピー)
- 学生の身分を証明するもの(学生証など、申請者が学生の場合)
- RIB(Relevé d’identité bancaire:申請者の銀行口座情報)
- 戸籍謄本(フランス語に翻訳済みのもの)
- 家賃証明書(Attestation de loyer)
- CAFのオンラインで作成した書類
- 収入証明書(給与明細など、収入がある場合)
- 貸主(大家、不動産会社など)の連絡先
- Siretと呼ばれる14桁の登記番号(貸主が会社である場合)
・ アロカシオンの受給者番号と元の住居の補助を受給していない旨の証明書(以前にアロカシオンを受給していた場合)
オンラインで申請する場合、サイトトップの「Les services en ligne」から「Faire une demande de prestation」のページへ飛びます。こちらのページには、学生対象の説明ページが添付されていますので、参考にしてください。
「Faire une demande de prestation」ページ内の「Vous n’êtes pas allocataire」を選択。あとは必要事項を記入しながら、画面に沿って手続きを進めてください。
質問がかなり多いので、時間に余裕をもって手続きしましょう。
最後に、オンラインで入力した内容の書類を必ずダウンロードしてから、ページを閉じるようにしましょう。この書類を他の必要書類とともにCAFへ送付することとなります。
必要書類についてですが、CAFのサイトに記されているものを基準に挙げており、その中でも留学生に必要なものは、1〜8となります。
9番以下は条件によって必要となりますが、基本的に留学生には関係がないと考えられます。貸主関係の情報で必要なものがあれば、大家さんや不動産会社に相談しましょう。
オンライン申請と同時に準備したいのが、滞在許可証の申請、銀行口座の開設、戸籍謄本の翻訳(法廷翻訳が望ましい)です。銀行口座開設に関しては、別項で説明いたします。
また、家賃証明書は大家さんにお願いする必要があります。賃貸契約書とともに大家さんに記載してもらうものですので、事前にアロカシオンの申請を希望している旨を伝えた上で依頼しましょう。
学生寮に住む場合、担当の方が手続きをガイドしてくれる場合が多いです。書類に関しても必要なものを把握していますので、入居契約の際にCAF申請希望の旨を担当の方に伝え、指示を仰ぐようにしましょう。
書類が揃ったら、最寄りのCAF事務所へ持参するか、郵送での提出となります。個人的には直接持参する方法をおすすめします。事務所には郵便受けのようなものがあり、封筒にまとめた書類をそちらに投函することができます。一方、郵便で送付した場合、書類の紛失が頻繁に起こるのが現状です。郵送される際は、必ず書留で送りましょう。
申請が受理されると申請者の元へ通知が届きますので、CAFのマイページにログインを済ませたら申請は完了となります。
<フランス国内で引越しをする場合>
留学中に住居を変更する際も、必ず住居変更の申告を行ってください。万一、申告を忘れて、支給額の変更があった場合には、返還を求められてしまう可能性もあります。
住所変更はCAFホームページから行います。
「Les services en ligne」から「votre demande d’aide au logement en ligne(オンライン申請)」を実行。新たに申請する形で、住所変更を行ってください。
在留届の提出
海外に3ヶ月以上滞在する人が必要な手続きが、在仏日本大使館への在留届の提出です。旅券法第16条に定められており、もちろんフランス滞在者も例外ではありません。こちらは、海外での住所や緊急連絡先を届け出るもので、万一の緊急事態が起こった場合、日本政府側の安否確認の手段となるものです。また、テロなどの注意喚起情報を逐一、所管の大使館からのメールで受信できるようになります。手続きは以下の2通りの方法で可能です(2017年7月現在)。
<在仏日本大使館(領事館)で届け出る>
留学生が居住する地域を管轄する在仏日本大使館または領事館に、届け出を行います。届け出用紙は大使館または領事館のホームページからダウンロード可能。大使館や領事館の窓口でも入手できます。代表としてパリの在仏日本大使館のホームページを紹介しますので、参考にしてください。
http://www.fr.emb-japan.go.jp/jp/annai/zairyutodoke.html(在フランス日本国大使館)
提出は大使館窓口、郵送またはFAXにて可能です。住所変更や帰国の際にも届け出が必要ですが、それらも同様の方法で行えます。用紙もそれぞれ大使館のホームページからダウンロードできますので、利用してみてください。
<インターネットで届け出る>
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/(外務省ORRnet)
上記の外務省のサイトから在留届の提出が可能です。また、こちらのサイトで届け出た方のみ、連絡先の変更や帰国の際の届け出も一括してこちらのサイトで行えます。インターネット環境があれば手続きできますので、非常に便利ですね。ぜひご活用ください。
■もくじ(ページ内リンク)
一般の賃貸住宅(アパート・ステュディオ等、ルームシェアを含む)
住宅手当の申請をする 今ココ
日本のスマートフォン機種はそのままに、現地でフリーのSIMを利用する
銀行口座の開設
留学生の皆さんは、日本の銀行口座を持っており、渡仏後もクレジットカードなどを利用することで、そちらの口座から留学資金の出し入れをすることも多いかと思います。その場合、フランスの銀行口座開設は必要ないように感じられるかもしれません。しかし、フランスで生活するにあたり、行政手続きやフランスで契約を行う際には、どうしてもフランスの銀行口座が必要となります。
こちらでは、フランスの銀行口座開設の一般的な手順と必要なものをまとめていきます。
<必要なもの>
・身分証明書(パスポートと長期滞在ビザ)
・住居証明書(電気料金の明細書や賃貸契約書など、またホームステイの場合はその家族の身分証明書)
・留学先の学生証または入学許可証
それぞれ、コピーと原本を持参するようにしましょう。
ホテルに仮住まいしているなど、渡仏後すぐに固定の住所がない場合には、受け入れ先教育機関の留学担当部署の連絡先とパスポート、日本での住居証明書で手続きを進めてくれる銀行もあるようです。こうした際には、住居の確定後に銀行で住所変更の届出を行ってください。
銀行によって対応が違うケースが想定できます。まずは各銀行にお問い合わせください。
<開設の手順>
口座開設を希望する銀行に直接出向く、もしくは電話でアポイントを取ります。この際、予約日と必要書類の詳細を聞くことができますが、多くの銀行ではフランス語のみでのやり取りになります。フランス語に自信のない方は、言葉のわかる人に付き添ってもらうことをおすすめします。
なお、予約などを取る場合、担当した人の名前を控えるとともに、必ず内容をメモしておくことをおすすめします。
予約日に銀行へ伺い、担当の人と口座開設の手続きに入ります。当日は、必要書類を忘れず持参しましょう。口座開設の契約書などにサインをしながら、必要書類の確認や詳細事項の説明を受けます。後日、暗証番号の書かれた書類が送られてきますので、そちらを銀行に持参の上、キャッシュカードや小切手(希望者)を引き取ってください。発行まで、大体1週間ほどかかります。ちなみに、フランスの暗証番号は決められているので、自分で選ぶことはできません。
フランスのキャッシュカードは「カルト・ブルー」と呼ばれ、デビットカードとクレジットカードが一体となっているものが多いです。
クレジットカードはオプションで発行してもらえますが、審査が入るため発行までに時間がかかります。
なお、口座開設時に小切手帳をもらうこともできます。希望する場合は、必ず伝えましょう。日本人はあまり慣れていないと思いますが、フランスでは一般的に小切手が使用されており、カルト・ブルーが利用できないときなどに小切手を使う機会もあります。状況に応じて使い分けられるように、小切手帳も持っておくと便利です。
<RIB(Relevé d’identité bancaire)について>
RIB(銀行口座証明書)は契約や払い込みなどで必要となるケースが多いです。銀行口座番号などが書かれており、銀行によっては最初にまとめて印刷してこともあります。また必要な時には、ATMやご自身の銀行のマイページからダウンロードをすることも可能です。
<日本人スタッフのいる銀行例>
日本人のスタッフが勤務している銀行がありますので、パリの例を参考までに紹介します。フランス語でのやり取りに不安がある場合には活用ください。
・ル・クレディ・リヨネ パリ ピラミッド支店
名称 :Le Crédit Lyonnais Paris Pyramides
住所 :20 Avenue de l’Opéra, 75001, Paris
電話 :01 44 58 94 24
https://www.lcl.com
・ケッス・デパルニュ イル・ドゥ・フランス
名称 :Caisse d’Epargne île-de-France
住所 :20 Rue Hérold, 75001, Paris
電話 :01 53 00 83 56(ジャパンデスク直通)
メール:japan.desk@ceidf.caisse-epargne.fr(ジャパンデスク直通)
https://www.caisse-epargne.fr/ile-de-france/particuliers/solutions-japon/au-quotidien/node_53678 (ジャパンデスク)
携帯電話を契約する
携帯電話は私たちにとって無くてはならないものですよね。大多数の皆さんが、日々活用していると思います。フランスでの一般的な携帯電話の契約についても、こちらでご紹介していきます。
<フランスの携帯電話会社について>
フランスで携帯電話を取り扱っている会社は、日本同様に複数存在します。主力の携帯電話会社は以下の通りです(2017年7月現在)。
・Orange(オランジュ)
・Bouygues(ヴィーグ)
・SFR(エス・エフ・エール)
・Free(フリー)
・La Poste Mobile(ラ・ポスト・モビル:郵便局提供のサービス)
・Les banques(各銀行で提供されているサービス)
その他にもありますが、現地で事情を調べた結果、フランス人はもちろん日本人留学生の多くが利用する会社は、上記のものが挙げられます。
特にOrange、Bouygues、SFRは、日本で言うところのdocomo、au、SoftBankのような位置付けと考えてよいでしょう。各社、様々なプランに電話の機種代を含めての契約やSIMフリーのサービス、プリペイド式の携帯電話の提供を行っています。また、スマートフォンが流通するようになって利用者が増えている会社が、Freeです。Freeで人気のプランがSIMフリーのサービスです。
その他には、郵便局や銀行が提供する携帯電話サービスもあります。プラン数は豊富で、期間限定のお得なプランを提供しているところも多いので、一度確認してみるとよいでしょう。こちらは、ご自身が口座を持っている銀行や郵便局でなくとも、携帯電話の購入・契約は可能です。
<フランスで携帯電話を利用するには>
留学生が現地で携帯電話を利用する場合、考えられる主な方法としては以下のものが挙げられます。
・現地で携帯電話を購入・プラン契約をする
・現地でプリペイド型の携帯電話を利用する
・日本のスマートフォン機種はそのままに、現地でフリーのSIMを利用する
・日本で契約している携帯電話を利用する
手続き方法と利点等について、ご紹介いたします。
現地で携帯電話を購入・プラン契約をする
最もスタンダードな方法です。渡仏後、現地で機種の購入とプランの契約を行います。現在フランスでは、12ヶ月や24ヶ月の契約期間があるAvec engagementでの契約と、契約期間がないSans engagementの契約があります。
使用状況などによっても異なりますが、Avec engagementで携帯電話を購入・契約した場合、長期的に見ると最も安価に利用出来る方法と言えます。長く使えば使うほど利点がある契約方法ですので、長期間留学をされる方には有効な可能性が高いと思われます。
一方、Sans engagement契約は、いつ解約しても違約金の発生はありません。契約期間よりも早く帰国する予定の方には、使いやすいプランと言えますね。ただし、機種購入やプランの価格が、Avec engagementと比べて高めに設定されていることが多いです。
また、プランの種類も、Avec engagementと比べると少ないため、ご自身の留学プランや予算と照らし合わせながら、適したプランがあるかを検討してみましょう。SIMに関しては、フリーの場合とそうではない場合があり、中には通常のSIMでも一定期間使用後、フリーに変更可能なタイプも存在します。プラン料金は平均15~20ユーロ(例えば電話・SMS、MMS無制限で)が多く安いプランであれば、3ユーロ程度からあります。日本より割安な感じを受けるのではないでしょうか。
契約には、フランスの銀行口座や滞在許可証などが必要となります。他の携帯電話の利用方法に比べて、事前準備の必要なものが多いです。契約時の書類も多いため、到着直後から利用するのは難しいかと思われます。また、解約する際は、早めの連絡が必要となるケースが多いです。
現地でプリペイド型の携帯電話を利用する
日本ではほとんど見かけなくなってしまいましたが、プリペイド型携帯電話の利点は、契約の手軽さです。現地の銀行口座や滞在許可証がなくても、パスポートと現住所(ホテルでも可)、機種購入代金、チャージする分のお金があれば購入できます。到着してからあまり時間がかからずに利用できますよね。
携帯電話を取り扱う会社で、プリペイド型を扱っているところは2017年5月現在、下記の通りとなっています。
・Orange
・Bouygues
・SFR
・La Poste Mobile
プリペイド型携帯電話の利用方法は、各社で若干異なりますが、主にフリーのプリペイド型SIMカードを購入し、それをSIMフリーの機種に挿入して使用する形が多くなってきているようです。その他には、購入したプリペイトカードを都度登録して使用する従来からのタイプがあります。
安いSIMカードでは、4ユーロ程度から購入可能ですが、長期的には割高になってしまいます。また、その都度カードをチャージしなければならない手間もありますが、非常用に携帯したい場合や、使いすぎを防ぎたい場合などには適していますね。なお、他人への譲渡も可能であり、留学生間で安く売買されることもあるようです。
日本のスマートフォン機種はそのままに、現地でフリーのSIMを利用する
価格面や使い勝手の良さから、SIMフリーのスマートフォンを利用する方も多くなってきているのではないでしょうか。フランスでは、「SIM Free」や「Forfait sans engagement sans mobile」のような呼び方でサービスが提供されています。Sans engagementですので、契約期間の縛りはなく、月単位での契約が基本です。プリペイド式携帯電話と同様、短期間からの使用が可能です。
通常契約と比べると、必要書類も簡略化されていることが多いため、利用しやすいのではないでしょうか。こちらの方法は、SIMフリーの機種を持っていることが前提となりますが、リーズナブルなプランも少なくありません。一方、フランスで購入・設定を行う必要があり、フランス語の理解がある程度必要になることは大いに考えられます。
日本で契約している携帯電話を利用する
日本で携帯電話を契約・所有しているかと思いますが、そのほとんどは海外で使用できるプランが多いのではないでしょうか。こちらは、日本の携帯電話と契約をそのままにフランスで使用する、という形です。
現地で新規契約する必要がないため、すぐに使用できる点は大きなメリットですよね。その反面、日本の携帯電話を海外で使用する場合、通信料が高額になりがちですよね。現地の電話会社を経由して通信するため、料金が高くなりがちです。この方法で携帯電話を使用する際は、料金状況に注意を払うようにしましょう。
ちなみに、渡航期間中に電話番号を保管するサービスを行っている会社もあります。帰国後、電話番号やアドレスをそのまま使用したいということであれば、解約せずに休止させ、情報を保管してもらうよう、各社へご相談ください。
2017年5月現在の情報をもとにフランスの携帯電話利用について基本的な内容をまとめております。さまざまなプランが今後も出てくるかと思いますので、出費を抑えられるようご自身に適したプランが見つかるといいですね。