渡航のテクニック

持病があり薬の持ち込みには海外旅行保険の英文証明書を

海外旅行へ行く際に持病があると、万一の時病院できちんと自身の状況を伝えられるか不安になってしまいますよね。日本であれば、言葉が通じるので医師とコミュニケーションを取りながら治療を受けることもできます。しかし海外だと、なかなか言葉が通じないため充分なコミュニケーションを取れず、不安を感じてしまいますね。医療専門用語は難しく、持病や常用薬についての説明を個人で行うとなると、上手に伝えられない可能性も出てきます。大切な身体に関わってくることは、間違いなく確実に伝えたいですよね!

■もくじ(ページ内リンク)

入国時に必要な場合も? 海外旅行保険の英文証明書!

英文証明書とはどんなもの?

英文診断書とは

英文薬剤証明書とは

海外旅行保険の英文証明書とは

英文証明書を作成してもらう時の注意点

持病がある人の海外旅行

入国時に必要な場合も? 海外旅行保険の英文証明書!

海外旅行に行く際に、様々な場面で英文証明書が役立つ時があります。持病がある場合や海外に常用薬を持っていきたい場合などには、入国時に英文証明書があると便利です。英文証明書とはどのようなもので、海外旅行では、どのようなの英文証明書を利用する可能性があるのかについてご説明します。

英文証明書とはどんなもの?

海外旅行に必要な英文証明書とは、海外に渡航した時に現地の言葉で詳しく説明するのが難しい病気に関してや、所持している薬剤に関して、また加入している保険に関してなどを英語で説明した文書です。英文証明書を持っていることで、万が一、海外の病院にかかり、病気について尋ねられた場合や、持っている薬について尋ねられた場合などにもすぐに対応することができます。

英文証明書には、英文予防接種証明書や英文診断書、英文薬剤証明書、英文健康診断証明書、英文保険証書などがあります。健康な場合でも、海外に渡航する際には、自分の体に関する情報を準備しておくと安心です。例えば、食物アレルギーや妊娠の有無などを英文で証明する書類があれば、海外旅行先のレストランやホテルなどですぐに対応してもらうこともできます。

英文診断書とは

持病やアレルギーの有無、現在治療中の病気があるかどうかなどを証明したものを英文診断書と言います。持病があり、海外旅行に行く際には、かかりつけの医師に相談し、英文で書かれた診断書や治療証明書を発行してもらうことをオススメします。

持病がない場合でも、健康であることやアレルギー、服用中の薬がないことなどを医師に伝えることは大切です。万が一、海外の病院にかかることになった時に、英語で伝えるのが難しそうな場合には、英文健康診断証明書を持参すると良いと思います。

国によっては、入国時に感染症にかかっていないことを証明する英文診断書の提示を求められることもあります。また、流行している感染症などがある地域では、対象のワクチンを接種した証明となる英文予防接種証明書などが必要となる場合もあります。英文診断書を発行してもらえるまでには2週間前後かかることがありますので、渡航する国で何が必要になるのかを事前に確認しておくことが望ましいです。

英文薬剤証明書とは

海外旅行に行く時に常用薬がある場合など、医薬品を持って行くことがあります。海外に医薬品を持ち込む時には、その医薬品がどのようなものなのかを証明する必要があります。医薬品を証明するための書類が英文薬剤証明書です。

入国審査の時などに薬の内容を尋ねられたら、英文薬剤証明書を見せることで、渡航先に医薬品を持ち込むことができます。英文薬剤証明書には、薬の内容に加え、その薬は販売目的ではなく、個人の使用のために持ち込むことを書く必要があります。

かかりつけの病院で英文の薬剤証明書が必要な旨を伝えると、作成してもらうこともできます。特に糖尿病を患っていて、インスリン注射をする必要がある場合には、注射器を含めた薬剤を持ち込むことができない場合もありますので、入国審査時のトラブルを避けるためにも、英文薬剤証明書の持参をオススメします。

海外旅行保険の英文証明書とは

海外へ渡航される際には、多くの方が海外旅行保険に加入すると思います。海外旅行保険は、海外で事故や病気などで病院にかかることになった時に、高額な治療費を補償してくれたり、海外で起こりうる様々なトラブルに備えるためのものです。渡航先の国によっては、病院での治療を受ける時、保険に加入していないと診療自体を断られてしまうことがあります。また、渡航先の国によって、入国時に海外旅行保険に加入していることを証明することができないと、入国することができない場合もあります。

そのために必要なのが、海外旅行保険の英文証明書(付保証明書)です。加入した海外旅行保険会社に申請をすると、海外旅行保険証書を英文以外にも数カ国の言葉で作成してもらうことができます。入国審査の時や病院の受付で保険の加入の有無を尋ねられた時には、海外旅行保険の付保証明書を見せるとスムーズに手続きすることができます。

クレジットカードに付帯されている海外旅行保険を利用する場合にも、クレジットカード会社に申請をすると、付帯されている海外旅行保険を扱う保険会社から付保証明書を発行できるように手続きをしてくれます。万が一、搬送された病院で保険に加入していることを証明することが必要になった時に備えて、海外旅行保険に加入した時は、英文証明書を発行してもらい、旅行に持参しておくと安心ですね。ただし、付保証明書は申請してから1週間以上かかることがありますので、余裕を持って申請しましょう。

英文証明書を作成してもらう時の注意点

かかりつけの病院で、海外旅行のための英文証明書を作成してもらう時にはいくつかの注意点があります。まず、自分が発行したい英文証明書の種類をきちんとかかりつけの医師や薬剤師に伝えることが大切です。特に、英文の処方箋と英文の薬剤証明書は違うため注意が必要です。

処方箋は基本的に薬局で薬を処方してもらうためのものです。海外の薬局で薬を処方してもらう場合には、英文の処方箋を発行してもらう必要がありますが、一般的に日本で発行された処方箋は日本でしか使用することができないため、海外旅行に持って行く必要があるのは、英文の処方箋ではなく、英文の薬剤証明書です。

かかりつけの医師に英文で薬の処方箋を作成してほしいと伝えがちなので、きちんと英文の薬剤証明書を作成してほしい旨を伝えるように注意が必要です。また、かかりつけの医師が英文証明書の作成に慣れていない場合もあります。

英文証明書の作成を拒否されてしまった場合には、日本語での証明書を作成してもらい、英文証明書作成を専門とした医師に翻訳を依頼する方法があります。英文証明書の作成を専門とした医師には、診断書や薬剤証明書、母子手帳の翻訳などもしてもらうことができます。翻訳してもらうのは、有料になりますが、専属の医師が作成してくれる点できちんと効力を持ったものになるため、安心です。

持病がある人の海外旅行

持病がある場合には、各英文証明書を海外旅行に持参することをオススメします。特に、英文の診断書や治療証明書、薬剤証明書は、万が一、海外の病院へ行くことになった際、持病についてスムーズに伝え、適した治療をしてもらうために大切な書類です。

また、海外旅行に行く前にかかりつけの医師に相談し、渡航先に行っても問題はないか確認する必要もあります。実際に渡航する際は、滞在日数より少し多めの薬を持参します。薬は、スーツケースが紛失してしまった場合のことを考え、飛行機に乗る時には手荷物として機内に持ち込むことが望ましいです。

入国審査時などに薬の内容を尋ねられた場合にも、英文の診断書や薬剤証明書があると、説明がしやすく、スムーズに手続きすることができます。特に液体の薬に関しては、機内に持ち込むことのできる量も限られているため、100ml以下の容器に入れ、薬の名前が分かるようにしてもらえるよう、薬剤師に頼んでおく方法もあります。

また、粉薬に関しても、日本では分包していることが一般的ですが、海外では、無地の袋に粉薬が分包されていると怪しい薬だと捉えられてしまう場合もあるため、処方された薬袋や箱ごと持って行くことが望ましいです。

持病があっても海外旅行保険に加入することはできますが、持病に関する治療費などは補償されないことも多いため、持病も補償される海外旅行保険に加入し、英文の海外旅行保険証書を発行してもらっておくと、海外の病院にかかる際も安心です。

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この記事を書いた人

伊藤菜央(株式会社アイ・エフ・クリエイト 保険コンサルタント) 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)