海外旅行保険の選び方
持病があっても海外旅行保険に加入できる?持病がある方の海外旅行の注意点
近年、海外旅行は身近なものとして、多くの人が海外へ観光に出かけています。言語の違いが不安だったり、持病があるから海外旅行に行くことを避けている方もいるかもしれません。持病があっても海外旅行保険に加入することができる場合もあります。ここでは、持病があって海外旅行へ行く時に、注意しなければならない点についてお伝えいたします。
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持病とは
一口に持病と言っても、様々な種類があります。旅行前に発症し、医師の治療を受けたことがある病気を指します。ただし、診断を受ける前に加入したとしても、後日の診断時に医師が責任開始期間前に発病していたと診断された場合は、ご自身が自覚していなかったとしても、対象にならない場合があります。主なものに、がんや心臓疾患、脳に関する病気、肺や腸、肝臓に関する病気、ぜんそく、糖尿病、精神疾患などがあります。また、既往症は過去に患った経験があるものですが、持病は、現在患っているものを指し、治療や投薬を続けているものであることに注意が必要です。
持病があっても海外旅行はできる
持病があると、薬や発作、通院などの関係から、海外旅行へ行くことを諦めがちかもしれません。しかし、患っている病気や症状にもよりますが、医師に相談し、きちんとした対策を取れば、持病があっても海外旅行を楽しむことができます。まず医師には、海外旅行で行きたい地域と期間について相談します。その際に英文で書かれたカルテの作成をお願いしておくと良いと思います。万が一、海外旅行先で病院にかかることになった場合に、スムーズにご自身の症状について伝えるためです。また、普段服用している薬も多めに処方してもらい、海外旅行先に持って行く必要があります。他にも、渡航する地域によっては流行病などがある場合がありますので、医師の判断を仰ぎ、予防接種なども受けておくと安心です。
食物アレルギーがある場合
海外旅行へ行く際、注意したいものに食物アレルギーがあります。慣れない土地での食事には、どんなものが入っているか想像しにくいこともあるため、店員さんを呼んで、頼みたいものにアレルギーがある食材が使われていないかを確認することが望ましいです。事前にアレルギーを持っている食べ物の英語表現を調べておき、メモとして持っておくと安心だと思います。機内食も事前に申告することで、アレルギー対策のされたものに変えてもらうことができます。海外のレストランでは、日本以上に食物アレルギーについて丁寧に聞いてくれることが多いため、きちんと説明できれば、安心して食事をすることができると思います。万が一、食物アレルギーを起こしてしまった時に備えて、普段は頓服薬として使用している薬も持参しておくと安心です。
心臓に疾患がある場合
心臓に疾患がある場合、飛行機の搭乗に不安を感じると思います。飛行機に乗っている間は気圧の変化が激しいため、血圧にも影響を及ぼすと言われています。そこで、心臓に疾患がある場合は、飛行機に乗る前や乗っている間に水分を多めに摂ることを心がけます。そうすることによって、血圧の低下を軽減することができ、心臓発作の予防にも効果的であると言われています。また、持ち歩くことのできる小型の血圧計を持って行くことも大切です。
糖尿病を患っている場合
糖尿病を患っている場合には、血糖測定器とインスリン注射用の器具などは忘れずに用意しておく必要があります。飛行機に乗っている間の血糖測定は離着陸時を除いて、一般的には可能とされていることが多いです。多くの航空会社では、機内食を糖尿病食に置き換えることができますので、事前に申請しておくことをオススメします。食事の時間が遅れた場合のために、低血糖対策としてアメなどを持っておくと安心です。インスリンは低温になりすぎると凍ってしまい、使用できなくなってしまう可能性があるため、必ず手荷物として機内に持ち込みましょう。その際に、薬の内容を聞かれることがありますので、英文で書かれた糖尿病カードや処方箋などを持っておくと良いとされています。また、海外旅行には時差があるため、インスリンの注射のタイミングを事前に医師と話し合っておく必要もあります。
血液透析をしている場合
血液透析をしている場合、一般的に週に3回程度、通院して透析治療を受けることが必要だと思います。しかし、事前に申請することで、海外旅行先の透析施設で透析治療を受けることができます。海外旅行へ行く前には、医師に相談し、必要書類を海外旅行先の透析施設へ送付することで、海外旅行中も安心して透析治療を受けることが可能です。また、海外の病院で透析治療を受ける場合、国によって透析費用は異なりますが、1回につき数万円かかることがほとんどです。帰国後、加入している健康保険から還付金を受けることができるため、事前に海外の病院に書いてもらう診療内容明細書や領収明細書などの書類を準備し、旅行先へ持って行く必要があります。
ぜんそくの場合
ぜんそくの場合、注意すべきなのは、なるべく発作を起こさないようにすることです。飛行機に乗る時には、気圧や酸素濃度の変化や湿度が低いことなどから、咳が出やすくなると考えられます。そのため、事前に保湿マスクをすることや水分をこまめに摂るようにすることを心がけます。万が一、発作が出てしまった場合には、慌てず、衣服の締め付けをゆるめて、ゆっくり腹式呼吸をするようにし、水や白湯などを飲むことで落ち着きやすいと言われています。また、背骨と肩甲骨の間に咳に効くツボがあるとされていますので、そこにカイロなどを貼って温める方法もあります。飛行機内にはスプレー式吸入器の持ち込みが難しい場合もあります。事前に航空会社に確認しておく必要がありますが、万が一、難しい場合には、医師に相談し、ガス式でない粉や液体状の薬を処方してもらうと良いかもしれません。また、宿泊するホテルに滞在する部屋は禁煙の部屋かペットは泊まったことはないかなど事前に聞いておくことも対策のひとつだと思います。
ぜんそくなどの持病があっても海外旅行保険に入れるか
インターネット契約をされる場合、持病があると加入が難しいか、加入はできても持病が悪化してしまった際や、持病が原因で病気になってしまった際は保障しないという保険会社がほとんどです。ただ、中には保険会社や契約方法にもよりますが、旅行期間が31日未満であれば、万が一、海外で持病が悪化してしまった場合にも補償を受けることができる場合があります。また、インターネット契約は加入条件を厳しく設定されている場合が多いので、同じ保険会社でも書面契約をされる場合は加入ができる場合があります。
また、ぜんそくの薬は、渡航先の国によっては薬代だけで数万円かかってしまう可能性があります。大した治療はせず、処方箋を出してもらっただけのように思えても、海外の病院では高額な治療費を請求されることがありますので、海外旅行保険には必ず加入しておくと良いと思います。なお、海外では薬剤名などが日本とは違う場合もありますので、日本にいる間に主治医に英文での薬剤証明書を書いておいてもらい、海外でかかった病院で見せられるようにしておくなどの対策も必要です。
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この記事を書いた人
伊藤菜央(株式会社アイ・エフ・クリエイト 保険コンサルタント) 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)